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キャリー・フクナガ、「カウントダウン・ヒロシマ」映画化の監督を交渉中

キャリー・ジョージ・フクナガといえば、2014年に『TRUE DETECTIVE』シーズン1の監督を務め、同年のエミー賞にてドラマシリーズ部門最優秀監督賞を受賞するなど、近年注目されている気鋭の映画監督。

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苗字でわかるとおり、日系の血筋をひいており、父親が日系アメリカ人三世です。母方からはドイツ系とイギリス系も受け継いでいるとのこと。彼の父親第二次世界大戦中、ユタ州のトパーズ戦争移住センターで誕生したということです。キャリー自身は半年ほど日本に住んだことがあるようです。

そのキャリー・フクナガが、「カウントダウン・ヒロシマ」(Shockwave: Countdown to Hiroshima)の映画化に際して、監督として交渉中と報道されました。

headlines.yahoo.co.jp

「カウントダウン・ヒロシマ」は、元BBCのドキュメンタリー監督であるウォーカー氏が原作。ニューメキシコでの原爆実験から1945年8月6日に広島に原爆が投下されるまでを、被爆者やマンハッタン計画の当事者・関係者らへのインタビューや莫大な文書からひもとき、歴史を変えた決定的瞬間の裏に隠された人間ドラマをつづった大作、と言われています。

カウントダウン・ヒロシマ

カウントダウン・ヒロシマ

 

 キャリー・フクナガは、2009年に『闇の列車、光の旅』( Sin nombre)で、中米からメキシコを通過し、アメリカを目指す移民をテーマを描いています。メキシコ人よりもさらに過酷かつ危険な旅をしているホンジュラス人の物語。日本でも注目されましたし、個人的には、ちょうどその時期にホンジュラスにいたので思い入れのある映画です。


映画「闇の列車、光の旅」が描く中南米移民の現実

www.cinemacafe.net

この映画に関するインタビューで、「日系人としてのアイデンティティ」について聞かれ、キャリーは以下のように答えています。
「(日系人アイデンティティを)確かに感じるよ。僕の家族にはしきたりがあって、それはきっと日本的な古風なものなんだと思う。例えば、僕は新年を必ず家族と一緒に祝うんだ。ガレージで餅つきをしたり、てんぷらを揚げたりとかしてね。仏教的な行事もやっている。僕の祖母が最近亡くなったんだけど、仏教的な儀式が家の中ですぐに始まって、みんなが出席した。カリフォルニアでは、日系の家族の絆はとても強いんだ。それから、21歳のときに半年ほど日本で暮らしたことがあるんだ。北海道でスノーボーディングをするためにね。日本での暮らしはとても気に入ったんだけど、同時に、日本的とはどういうことなのか? という意味で、自分と日本で生まれ育った人たちとの違いを知った。アメリカ育ちの僕には全然分からない(苦笑)、たくさんのデリケートなルールがあるから。でも、文化的には、自分は何よりも、第一に日本人的であると思いたい。特にどんなことが、というのは分からないんだけど…苗字は日本人だよね?」

そして、日本についての映画を撮りたいか?との問いには「もちろん!」と即答したということです。「カウントダウン・ヒロシマ」の監督をすることになれば、それが実現することになります。