クリスチャン・イエリチ(Christian Yelich)、日系三世、首位打者も狙える若き天才打者、WBCでも活躍
WBCでも活躍したフロリダ・マーリンズのクリスチャン・イエリチは、母方の祖父が日本人で、日本人の血が1/4流れる、いわゆる日系三世です。父方はクロアチア移民の家系。彼の血筋として注目されているのは、母方の曾祖父がNFLで殿堂入りを果たしているフレッド・ジャークであること。ちなみに、弟のコリン・イエリッチも2015年にドラフト29巡目でアトランタ・ブレーブスに入団した捕手で、2016年に兄と同じマーリンズとマイナー契約をしています。
1.イエリチ選手の経歴
クリスチャン・イエリチ選手は1991年12月5日生まれの25歳。カリフォルニア州出身で、ウェストレイク高等学校時代から野球で活躍。全米の高校野球選手トップ100のなかで34位にランクもされています。高校卒業後はカレッジの野球チームから奨学金を得ていましたが、マーリンズからのドラフト指名を受けプロ入り(高卒の外野手でこの順位での指名というのは相当の評価)。マイナーリーグでも順調に成績を残し、 2011年、2012年シーズンはマーリンズの優秀マイナー選手(Marlins' Minor League Player of the Year)に選ばれています。そして、2013年は弱冠21歳で2Aからメジャーに昇格しています。
生年月日: | 1991年12月5日(25歳) |
生まれ: | カリフォルニア州ベンチュラ郡サウザンドオークス |
身長: | 6' 4" =約193 cm |
体重: | 195 lb =約88.5 kg |
投打: | 右投左打 |
出身校: | ウェストレイク高等学校 |
プロ入り: | 2010年のMLBドラフト1巡目(全体23位) |
2.プロ入り後の活躍
2013年7月23日のコロラド・ロッキーズ戦で2番・左翼手スタメンでメジャーデビューすると、いきなり4打数2安打。結果、2013年シーズンは62試合に出場して打率.288・4本塁打・16打点・10盗塁という成績を記録。
2014年シーズンは開幕から左翼手のレギュラーに定着し、144試合に出場。打率.284・9本塁打・54打点・21盗塁・出塁率.362という成績を記録。また守備力が高く、ゴールド・グラブ賞を受賞しています。
2015年シーズンは故障もあり126試合の出場に留まったが、規定打席には2年連続で到達。打率.300・7本塁打・44打点・16盗塁という好成績を残しました。
2016年シーズンは更に才能が開花。155試合に出場し、打率.298・21本塁打・98打点・9盗塁・出塁率.376というトップレベルの成績を収めています。この打撃面での活躍ぶりが評価され、シルバースラッガー賞をナ・リーグの外野手部門で受賞しました。
昨年あたりのニュースでは、侍ジャパン入りもあり得るのではないかというニュースも出ていました。米国チームの外野手に選ばれるのは至難の業ということもあり、イエリッチ選手も「もし、出られるなら、もちろん日本チームで出たい」と乗り気との報道(リップサービスかもしれませんが)。ただし、WBCの規定では両親のいづれかが日本国籍または日本生まれである必要があり、厳密には日本代表になる資格はありません。過去の大会では柔軟に対応した例もあることから一部には期待する声も出ていました。
しかしながら、当然といえば当然ですが、イエリチ選手は2016年シーズン終了後、第4回WBCの米国代表への参加の意思を表明し、選出されました。
そしてWBCでは全ての試合に出場し、外野のレギュラーとして大活躍を見せています。
4.今後の期待
イエリチ選手が子供のころに憧れた選手はデレク・ジーター。その理由は「彼は誰もが認める勝者。選手としても万能だし、チームに貢献しようとする姿勢が素晴らしい」ということ。マーリンズは2015年にイエリチ選手と7年契約延長に合意。総額4,957万ドル(当時のレートで60億円近い額)という大型契約を結んでいます。ジーターのような走攻守3拍子揃った選手として、更なる飛躍を期待しています。