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【U30のコンパス】「日本で暮らす」本音話せる月1回の相談 学校巡る日系人先生

 共同通信の記事「U30のコンパス」で、愛知県の外国人生徒を支援する制度である「語学相談員」を担う日系人にフォーカスが当てられています。

主人公は菊地健二さん(29)。名古屋市周辺の小中学校約30校でポルトガル語による通訳や個別相談を通じ、外国人生徒と教員の間の橋渡しをしています。

菊池さんは、家族とともに16歳で来日。しかし、日本語の壁もあり勉強が困難になったことなどもあり、愚れてしまいヤンキーに。しかし、教会に通い悩みを打ち明けられるようになって更生することができたとのこと。愚れて悪さしたことは後悔しているが、その経験があるからこそ、悩んでいる子供たちの相談になることができると話しています。

菊池さんの仕事は、1日に2校程度を回って、生徒の日本語指導、授業に入っての支援、翻訳、保護者会の通訳などをこなす毎日。特に担任から保護者への進路説明は責任があるからこそ難しい仕事で、間違いがないように気を付けて対応しているということです。

「自信をもって自分の夢をあきらめないで」、菊池さんからの子供たちへのメッセージでした。

www.47news.jp


本音話せる月1回の相談 「U30のコンパス」

 

さて、菊池さんが働いている「語学相談員」という業務ですが、愛知県における外国人児童生徒に対する支援事業の一環です。愛知県は、日本語指導を必要としている児童生徒の公立学校への在籍数が国内で最も多い県であり(約6千人、2014年)、支援内容が充実しています。

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出展:平成27年度 「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(愛知県)

 

「語学相談員」はポルトガル語4名、スペイン語5名、フィリピノ語2名の計11名体制。「語学相談員」公募における業務内容は以下のようになっています。児童への支援のみならず、保護者に対する支援も含まれていますね。

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業務内容
主に、配置先の教育事務所計画に基づいて公立の小学校または中学校を訪問し、以下の業務を行う。
(1) 日本語指導が必要な児童生徒に対する語学指導の補助及び学校生活に関する相談 ・適応指導 ・教科学習指導の補助
(2) 保護者に対する教育相談及び保護者と学校の意思疎通を図るための通訳
(3) 教科書や学校からの通知文等の翻訳
(4) 指導手引書・教材作成の援助
(5) 親子交流会等に関する援助
(6) 教職員研修会等における助言
(7) 進路指導等における通訳および助言
(8) その他所属長が命じた職務

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「語学相談員」は日系人の他、JICAの日系ボランティア経験者も活躍しているようです。以下は、日系ボランティアとしてブラジルで活動経験のある久保 真希子さんの記事。

出来ることから始めよう、学校での多文化社会に触れて | 「人」明日へのストーリー | JICA中部 - JICA

 

ohatyuu.hatenablog.com