日系 Nikkey パートナーズ

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レオナルド松田、『Inner Workings』でブラジル人として初のディズニー監督に

ディズニー映画『モアナと伝説の海』を見た方も多いと思います(私も子供と鑑賞し、映像と音楽に感動しました)。そのモアナと同時上映されたのが、短編映画『インナー・ワーキング(Inner Workings)』です。主人公は、まじめにきっちりと内勤の仕事をこなす会社員のポール。彼の中の、常に同じように働くことを指令する「脳」と、自分の欲求に従って弾けてみたい「心」や「臓器」の葛藤が描かれた作品となっています。

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動画を見ておわかりのとおり、主人公は、東洋人のような顔立ちをしており、日本人といっても違和感がないと思います。実は、この映画の監督は日系ブラジル人のレオナルド松田さん。ブラジル人初のディズニー監督として、母国のブラジルでも注目されています。

日本語のインタビューとしてはブラジルのニッケイ新聞が記事にされています。それによると、松田さんはサンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス市出身の35歳。同市には1922年に日本人が入植し、日系人が多く住んでいる都市のひとつです。お父さんは一世、お母さんは三世とのこと。幼いころ、お母さんが日本に働きに行き、その仕送りで米国で勉強したというエピソードが掲載されています。松田さん自身はブラジル育ちです。

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この映画で描かれている抑制的な「脳」と欲求に従いたい「心」という相反する2つの要素は、自身の日系ブラジル人というアイデンティティとも重なるもののようです。別のインタビューの中で(以下の記事や動画を参照)、日本人の規律正しく論理的な部分と、ブラジル人のカーニバルやパーティーが好きという両面が、自分の体の中で戦っている、と述べています。(“I have the Japanese side of me. It’s very disciplined and logical,” “And I also have the Brazilian side, which loves Carnival and parties. It’s like there’s a civil war going on in my body.”)

仕事と遊び、脳と心、日本とブラジル、こうした一見、相反する要素は、実は二つとも生きるために必要なものであり、むしろ二つそろって初めて充実した人生になるということですね。

レオナルド松田さんの今後の活躍を期待します。

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