日系 Nikkey パートナーズ

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「日本語指導が必要な子ども」が4万3千人以上。そのうち日系人が多く、ブラジル政府も支援を検討。

文部科学省が公表した『日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成28年度)』によると、「日本語指導が必要な児童生徒」は4万3千人以上(外国籍が3万4,335人、日本国籍が9,612人)で、前回調査よりも約6,800人(約18.5%)増加したという結果となっています。 

日本語指導が必要な「外国籍の児童生徒」を母語別で見ると、前回調査と同様、ポルトガル語母語とする者が 25.6%(前回28.6%)と最も多く、次いで、中国語が23.9%(22.0%)、フィリピノ語が 18.3%(17.6%)、スペイン語が 10.5%(12.2%)であり、これらの4言語で全体の 78.2%(80.4%)を占めています。特に、ポルトガル語スペイン語を合わせると36.1%であり、このうち、ほとんどが中南米日系人やその家族であると考えられます。

日本語指導ができていない理由としては、担当教員又は指導者がいない(不足を含む)と回答した学校が最も多い結果となっています。外国人集住地域以外でも外国籍の生徒が増えていることから指導者不足は深刻な状況と言えます。

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このような状況下、ブラジル政府も「在日ブラジル人子弟の教育問題」に強い関心を持っています。現地邦字紙「ニッケイ新聞」によると、6月14日には、連邦上院の教育文化スポーツ委員会にて公聴会が開かれ、在日ブラジル人は言葉や文化の違いによる障害の大きさから、日本の教育機関への適応が難しいこと、そのため退学の問題が頻発し(日系人の中学卒業率は6~7割とも言われる)、さらにブラジル人子弟による不登校や非行を招いていることなどが、指摘されています。
その対策として、ブラジル教育省は、ブラジルの大学の日本語学科で学ぶ学生による「在日ブラジル人子弟への課外プログラム」を提案しています。具体的には、「学科の修了時に半年ほど奨学生として日本の大学で研修を受け、モニターとして子弟らが通う教育機関で放課後の補習プログラムや、ブラジル人向け保育園での研修を行なう」内容です。インターンやボランティアプログラムのような方式ですね。日本政府がブラジルの日系社会における日本語教育をJICAボランティアで支援しているのと同様に、ブラジル政府が在日ブラジル人を支援するというもののようです。

現在ブラジル国内の7つの大学で日語学科が設立され、毎年約150人が修了しているとのこと。また、日本にブラジル人学校は約70校(うちブラジル政府公認が30校)あるといわれています。日語学科修了者のうち、どの程度の人数が関心を持つのかわかりませんが、実現したら面白いプログラムです。日語学科の学生のみならず、ブラジルの日系人が日本でボランティアを行うプログラムがあってもいいと思います。

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