韓国移民歴史資料館を訪問。日本語のガイドもあり、充実した展示でした。
海外に在住する韓国人やその子孫は700万人以上と言われています。その移民の歴史を紹介している資料館がソウルの仁川にあります。「韓国移民歴史資料館」です。仁川は港町、最初の移民が旅立った地。日本にも横浜に「海外移住資料館」、神戸に「海外移住と文化の交流センター」があるのと同じですね。
今回、韓国を訪問する機会を利用して、この「韓国移民歴史資料館」に行ってきました。ソウル市内から地下鉄などを使い約1時間半。仁川駅からバスで10分程度と、結構時間がかかります。
「韓国移民歴史資料館」は2008年に開館。地下1階、地上2階の展示スペースがあり、なかなか立派な施設です。日本語のパンフレットのみならず、日本語音声ガイドも用意されていて、日本人もちゃんと理解できます。(横浜の海外移住資料館よりも外国人フレンドリーです。)
資料館によると、韓国人の海外移住は1860年代の中国、ロシアから始まったとされていますが、集団移住としては1902年に出発した政府公式認可ハワイ移民が最初。1903年にハワイに到着していますので、2003年が移民百周年でした。日本のハワイへの官約移民は1868年に始まっていますので、それから35年後のことになります。
韓国移民102名がハワイに向かって乗船したのが米国客船ゲーリック号。館内にはゲーリック号の外観が展示されています。
韓国移民は仁川から日本の客船玄海丸で長崎に寄港し、そこでゲーリック号に乗り換えハワイに向かいました。日本到着を伝える新聞記事です。
移民家族の様子。102人のうち、健康検査の結果、最終的には86人が移民を許されたとのこと。
中南米への移民は1905年のメキシコが最初。日本の斡旋業者により、サボテン科のエネケン(Henequen)の栽培農場で働きました。しかしながら、過酷な労働環境により、キューバに再移住したものも多かったとのことです。
ブラジルへの移民は在日韓国人が最初のようです(年代不明)。 1956年には朝鮮戦争の囚人50名が国籍を持たずブラジルに渡っています。その後、1960年代は農業移民、1970年代は衣料産業の民間業者がブラジルに移住しています。資料館で見たデータによると在ブラジルの韓国人は約5万人ということですので、あまり多くはないですね。
地下一階ではハワイ移民の企画展が開催中でした。映像で歴史を紹介する形式も横浜の移住資料館と同じ。なかなか充実した展示でした。
ソウル市内からちょっと時間がかかるので短時間の滞在では難しいかもしれませんが、受付の方も親切で、とても良い資料館でした。資料館の概要は展示内容は以下のサイトに詳しいです。
仁川には中華街もあり、これも横浜や神戸と同じですね。資料館と併せて訪問してみてはいかがでしょうか。