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自民党の1億総活躍推進本部の提言書:日系四世の日本における活躍

自民党の1億総活躍推進本部が政府への提言書をまとめました。その中には、「日系四世の日本での活躍」が含まれています。

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日系人については、三世やその配偶者は、就労活動に制限のない在留資格が与えられているものの、四世の場合はかなり制限された資格しかありません。そのため、日系社会のみならず、貴重な労働力として期待する経済界からも、制度の緩和の声が上がっていました。

今回まとめられた1億総活躍推進本部の提言書には、日本語を学びながら働ける四世向けのワーキングホリデー制度の新設とともに、在留資格の拡大の議論も開始することも含まれています。具体的には、以下の通りです。

④ 日系四世の日本における活躍について

 平成2年の「定住者告示」により日系三世までの受入を明確化して以降、多くの日系人が在留することとなり、日本経済及び地域に貢献してきた。その子孫である日系四世の間にも日本に対する多くの期待が寄せられているものの、現行の日系三世までの受入についても、いわゆる「共生」のための取り組みが不十分ではないかという声もあり、その立場について定まっていないのが現状である。日系人は我が国を祖国とする同胞であるとともに、我が国のよき理解者であり、日系四世についても敬愛をもって接する必要がある。その受け入れに関して以下を提言する。

(1)日系四世を日本で受け入れ前段階で、現地での日本文化並びに日本語学習環境を整備する。

(2)日系四世が日本文化と日本語を学べるよう「新しいワーキングホリデー」ともいうべき、制度を確立する。例えば、労働時間に制約をつけない2年間の日本語学習を責務とし、地方自治体や地域が受け入れやすい環境を整備する。

(3)日系四世の将来の在留資格のあり方については、「新しいワーキングホリデー」の下、実施状況を確認しながら、議論を開始することとする。

(引用は以上)

日系人の定住者としての在留資格が四世まで拡大される方向は歓迎すべきことと考えます。ただ、単純な安価な労働者としてではなく、しっかりと日本に定住する生活者として受け入れてほしいところです。また、現在も大きな問題として存在する日系人子弟の教育問題への更なる支援も重要と考えます。

以下のニッケイ新聞の記事に、「もしもブラジルに住み続けたら、多くが大学まで進学してそれなりの職に就ける日系人。訪日したがために、日本社会の下層に組み込まれてしまうのであれば、行かない方が良い」とありますが、本当にそう思います。

www.nikkeyshimbun.jp

 

 なお、1億総活躍推進本部の提言書の全文は以下から参照可能です。

https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/134900_1.pdf

 

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