日系 Nikkey パートナーズ

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日系4世向けのワーキングホリデー制度案をブラジル・ペルーで説明

日本維新の会下地幹郎議員他がブラジル、ペルーを訪問し、日系4世向けに検討されているワーキングホリデー制度について日系団体・日系人に説明されました。

下地議員は以前より日系人支援・連携に積極的で、今年2月には日系4世の定住在留資格について安倍総理に質問し、総理から前向きな答弁を引き出しています。

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その後、経済界の期待もあり、自民党の1億総活躍推進本部の提言書に「日系四世の日本での活躍」の項目が設けられ、その具体策として「日本語を学びながら働ける四世向けのワーキングホリデー制度の新設」が提案されました。

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下地議員はその提案の具体化に取り組まれているようです。ブラジルの邦字紙の報道からまとめると、制度案の概要は以下の通りです。

●18歳以上の日系4世を対象とした3年間のビザ

●日本語や文化習得のため労働と学習を義務付け(受け入れ先の日本企業にも制度利用者に対する日語研修プログラムの作成と実施が求められる。)

●配偶者や子どもの同伴できる可能性

●3年間のビザ終了後は、(1)4世にそのまま定住権を与える(2)無犯罪の4世に定住権を与える、の2案を検討中

●今年11月から開始される見込み(8月:制度設計、9月:パブリック・コメント、10月:最終検討、11月:確定、法務省の省令として発布)

 

日本政府はこれまで18ヶ国を対象にワーキングホリデー制度を導入しており、「二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨」として、「休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める」としています。その基本的な要件は、期間は1年、子又は被扶養者を同伴しないこと、有効な旅券と帰りの切符(又は切符を購入するための資金)を所持すること、滞在当初の生計維持に必要な資金を所持すること等です。
従来のワーキングホリデー制度は、その名称のとおり「休暇」が主目的ですが、現在検討されている日系人向けの制度は、「4世の若者が日本に滞在し、働くことができる制度を目指したい」とあるように、やはり「就労」のほうに重点が置かれているようで、外国人の技能実習制度に類似する要素もあるように思われます。

いずれにしろ、日系4世が日本での在留資格を得るチャンスが与えられるという点では非常に重要な一歩です。他方で、配偶者や子供も同伴可能とあり、従来にも増して子弟への教育環境の充実等、しっかりした受け皿作りを同時並行で行う必要があります。

(良い悪いはともかくも)日系人に限らず、日本で働く外国人が増え、それに伴い外国にルーツを持つ子どもが増加している中、単なる労働力ではなく、きちんと家族で生活できる環境・サポート体制を整備することが必須と考えます。

日本、日系人、日系社会、ぞれぞれがWINの関係になるような制度になることを切に望んでいます。近江商人の心得のように三方良しで。

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