日系 Nikkey パートナーズ

日系人、ボランティア、開発について、自分の勉強のためにも書いていきます。

「トランプのアメリカ」に警鐘鳴らす日本人、そして日系アメリカ人市民同盟(JACL)について

NHK BS1の「国際報道2017」という番組において、2月20日、「トランプのアメリカ」に警鐘鳴らす日本人、というテーマが放送されていました。

75年前、12万人の日系人強制収容所に送り込んだ大統領令の経験から、日系人のリーダー達が、トランプ大統領の現在の移民政策に反旗を翻している様子が取り上げられています。番組の内容は以下のサイトから見ることができます。

www6.nhk.or.jp


米国大統領令:警鐘鳴らす日系人【対トランプ】

 

番組の中で、ある日系団体の副代表としてジェフィリー・モイ氏が登場します。この団体が、国立歴史博物館で開催されている「日系人強制収容の歴史伝える特別展」のスポンサーでもあると紹介されていました。

この団体について調べてみたところ、日系アメリカ人市民同盟(Japanese American Citizens League; JACL)でした。JACLは1929年にアジア系アメリカ人の権利を守る為に設立された団体で、米国内で最古、かつ最大のアジア系アメリカ人人権団体とのこと。第二次世界大戦中の日系人強制収容の際には、日系人連邦政府の仲介的役割を担っていたとも言われています。また、1970年、80年代には、賠償金請求活動を推し進めるのを援助しています。

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Japanese American Citizens League – Est. 1929

 

また、番組内では、強制収容の大統領令と戦ったフレッド・コレマツ氏のことも触れられていました。以下の記事もご参考。

ohatyuu.hatenablog.com

 

 

キャリー・フクナガ、「カウントダウン・ヒロシマ」映画化の監督を交渉中

キャリー・ジョージ・フクナガといえば、2014年に『TRUE DETECTIVE』シーズン1の監督を務め、同年のエミー賞にてドラマシリーズ部門最優秀監督賞を受賞するなど、近年注目されている気鋭の映画監督。

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苗字でわかるとおり、日系の血筋をひいており、父親が日系アメリカ人三世です。母方からはドイツ系とイギリス系も受け継いでいるとのこと。彼の父親第二次世界大戦中、ユタ州のトパーズ戦争移住センターで誕生したということです。キャリー自身は半年ほど日本に住んだことがあるようです。

そのキャリー・フクナガが、「カウントダウン・ヒロシマ」(Shockwave: Countdown to Hiroshima)の映画化に際して、監督として交渉中と報道されました。

headlines.yahoo.co.jp

「カウントダウン・ヒロシマ」は、元BBCのドキュメンタリー監督であるウォーカー氏が原作。ニューメキシコでの原爆実験から1945年8月6日に広島に原爆が投下されるまでを、被爆者やマンハッタン計画の当事者・関係者らへのインタビューや莫大な文書からひもとき、歴史を変えた決定的瞬間の裏に隠された人間ドラマをつづった大作、と言われています。

カウントダウン・ヒロシマ

カウントダウン・ヒロシマ

 

 キャリー・フクナガは、2009年に『闇の列車、光の旅』( Sin nombre)で、中米からメキシコを通過し、アメリカを目指す移民をテーマを描いています。メキシコ人よりもさらに過酷かつ危険な旅をしているホンジュラス人の物語。日本でも注目されましたし、個人的には、ちょうどその時期にホンジュラスにいたので思い入れのある映画です。


映画「闇の列車、光の旅」が描く中南米移民の現実

www.cinemacafe.net

この映画に関するインタビューで、「日系人としてのアイデンティティ」について聞かれ、キャリーは以下のように答えています。
「(日系人アイデンティティを)確かに感じるよ。僕の家族にはしきたりがあって、それはきっと日本的な古風なものなんだと思う。例えば、僕は新年を必ず家族と一緒に祝うんだ。ガレージで餅つきをしたり、てんぷらを揚げたりとかしてね。仏教的な行事もやっている。僕の祖母が最近亡くなったんだけど、仏教的な儀式が家の中ですぐに始まって、みんなが出席した。カリフォルニアでは、日系の家族の絆はとても強いんだ。それから、21歳のときに半年ほど日本で暮らしたことがあるんだ。北海道でスノーボーディングをするためにね。日本での暮らしはとても気に入ったんだけど、同時に、日本的とはどういうことなのか? という意味で、自分と日本で生まれ育った人たちとの違いを知った。アメリカ育ちの僕には全然分からない(苦笑)、たくさんのデリケートなルールがあるから。でも、文化的には、自分は何よりも、第一に日本人的であると思いたい。特にどんなことが、というのは分からないんだけど…苗字は日本人だよね?」

そして、日本についての映画を撮りたいか?との問いには「もちろん!」と即答したということです。「カウントダウン・ヒロシマ」の監督をすることになれば、それが実現することになります。


アルゼンチン・ラプラタ盆踊り、「世界!ニッポン行きたい人応援団」でも紹介

 今年も、ラプラタでの盆踊り大会は盛況だったようです。

1月14日に開催されましたが、その模様がテレビ東京の「世界!ニッポン行きたい人応援団」で紹介されていました。ドローンで上空から撮影した映像は圧巻の規模。日本でもこんなに集まる盆踊りは少ないのでは。

Noticias NipponのFacebookサイトで番組が確認できます。

www.facebook.com

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www.tv-tokyo.co.jp

 

ラプラタ盆踊り大会の人気の踊りのトップ3が以下の通り。1位が意外でした。

3位、アラレちゃん音頭

2位、河内おとこ節

1位、ジンギスカン

 

調べてみると、ジンギスカンで盆踊りは、日本の一部で流行っているようです。確かに妙な一体感をつくれるかもです。誰でも楽しくが盆踊りの基本ですから、ありですね。

share-lab.net

また、番組内で紹介されていた焼き鳥も美味しそうでしたが、豚肉を使ったボンディエラ・アル・ディスコ(Bondiela al Disco)なる料理もひかれました。黒ビールを入れることもあるようです。

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 1月、2月は、南米各地で、日本のお祭りが開催されていました。まさに夏祭りです。

これからはカーニバルの季節ですね。

ohatyuu.hatenablog.com

 

 

日系まとめニュースNo.7「ルーズベルト大統領が日系人強制収容の大統領令に署名してから2月19日で75年」他

日系関連のニュースをまとめて掲載します。

75年前の今日、1942年2月19日、ルーズベルト大統領は「大統領令9066号」に署名。この大統領令が発令されたことにより日系人およそ12万人が強制収容所に送られました。トランプ大統領の移民に対する政策から、この日系人に対する過去の経験が注目され、各メディアで報道されています。

 

日系/Nikkey ニュース No.7 2017年2月 19日(日)

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■■日系関連ニュース■■

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www.tokyo-np.co.jp

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講演するジョージ・タケイさん

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1万人以上の日系人が収容されたカリフォルニア州のマンザナー強制収容所

news.tv-asahi.co.jp

mainichi.jp

toyokeizai.net

www.nikkeyshimbun.jp

www.businessinsider.jp

www.47news.jp

www.nikkeyshimbun.jp

jp.reuters.com

news.nifty.com

zasshi.news.yahoo.co.jp

news.walkerplus.com

 

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▼▼メディア情報▼▼

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移動と定住の社会学第4回「日系人とは誰か」

2月22日(水) 19:00~19:45

放送大学3
1990年の「出入国管理及び難民認定法」(入管法)改正を含めた日本の法体系のなかで、(1)なぜ日系人のみに就労制限が置かれなかったのか、(2)日系人にのみ特別な地位を与える根拠に相当する考え方はどこから生まれたのか、ということについて考える。
担当講師: 丹野 清人首都大学東京教授

 

▼おけいが見た夢~会津からアメリカへ・女性移民第一号となった少女~

2月23日(木) 23:00~23:54

BS-TBS

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★★イベントのお知らせ★★

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「ハワイ日系移民の研究支援」研究報告会『ハワイと日本人』
2017 年)3 月 19 日(日)14:00~17:00
学習院大学 西 5 号館 302 教室
参加費無料(定員 60 名)

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日系人収容描いたミュージカル「Allegiance」(忠誠)、トランプ効果で脚光

第2次世界大戦中の日系米国人強制収容を描いたミュージカル「Allegiance」(忠誠)は、2012年にサンディエゴで初上演されて以降、2015年にはブロードウェーでも上演されました。

このミュージカルをプロデュースしたのが、ジョージ・タケイさん。アメリカの人気TV番組「スタートレック」シリーズのヒカル・スールー役で有名です。タケイさんは、幼い日に日系人強制収容所に家族とともに送られた経験を持ちます。その経験をもとに、「Allegiance」(忠誠)を制作しました。

このミュージカルが、今再びアメリカの映画館で上映されることが決まりました。トランプ大統領の入国制限令で米国内の世論が分かれる中、本作品への関心が高まったという背景があります。

jp.reuters.com

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AllegianceBwayBlogrv

ミュージカル「Allegiance」は日系人収容所に入った日系人たちの苦しみ、日系コミュニティーおよび家族の中での世代間の価値観の違いや亀裂、対立、そして和解を描いたドラマとなっています。上の映像の中でタケイさんは、「家族が中心の物語であり、日本人だけでなく、白人、黒人、中国人、韓国人など全ての人に共感してもらえる内容であるのがこの作品の魅力であること」、そして「辛い状況の中でも『がまん』することで喜びやユーモアを見つけ出せる」と語っています。日系人の逞しさも伝わってきます。

よく見ると映画のマークが、桜に星条旗となっていますね。強いメッセージを感じます。

 

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もう一度 日本に出会いたい~日系ブラジル人 柔道選手(2月19日 21:00-21:50 NHK BS1で放送)

NHK BS1の「世界はTokyoをめざす」という番組で、日系ブラジル人の柔道選手が特集されます。

www6.nhk.or.jp

リオ五輪で惨敗を喫したブラジルの男子柔道。その再起のため、動きだしている選手がいる。日系4世のバルボザ・カツヒロ(25)だ。柔道の総本山、講道館を訪れ、日本人選手と切磋琢磨することで新たな一歩を踏み出そうとしている。カツヒロのような若い世代は、日本に対する思いはそれほど強くない。しかし、東京五輪をきっかけに、祖先の国を見つめ直そうという動きが広がっている。東京を見据え、猛練習に励む日々を見つめる。

 

柔道王国といわれるブラジル。その中で、日系人選手も活躍してきました。しかし、リオオリンピックでは惨敗。日系では、知花選手やキタダイ選手ともメダルが期待されましたが、届かずでした。

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五輪柔道=期待の日系2人、夢破れ=知花は初戦敗退、海老沼に=キタダイ健闘もメダル届かず – ブラジル知るならニッケイ新聞WEB

 

今回TVで紹介されるバルボザ・カツヒロさんは、少年時代を日本で過ごした後、ブラジルで大学、クラブチームで経験を積んで、ブラジル代表になっています。お父さんも柔道選手、お姉さんは北京オリンピックにブラジルから出場しています。

そのバルボザ選手、2016年12月のグランドスラム東京に出場しています。一回戦でロンドン五輪の銀メダリスト・中矢力と対戦し、残念ながら一本負け(横四方固)しました。以下のサイトで試合の模様を見ることができます。

www.tv-tokyo.co.jp

バルボザ選手も含め、今後とも日系ブラジル柔道選手に注目したいと思います。


日系の柔道選手に声援 東京五輪へ、熱い期待

外国人との「共生を考える」第四部、「ガンバチアール!」日系ブラジル人子供たちのガンバリ

毎日新聞滋賀県版の特集「共生を考える」第4部のご紹介。2016年9月から10月に掲載されたものです。タイトルは「ガンバチアール!」。「ガンバチアール」とは、日系ブラジル人らが使う「頑張る」を意味する造語です。親と一緒に来日した日系ブラジル人子供たちは、様々な困難に直面します。日本語、不就学、いじめなど。そのような環境で、日本語教室やポルトガル語がわかる教師などの支援を受け、日本でがんばっている姿を描いています。

 

われは湖南の子/1 市全域の小中生机並べ 編入学前に「あいうえお」 

われは湖南の子/2 外国籍溶け込む中学校 母語交え取り出し授業

われは湖南の子/3 ポルトガル語操る教諭 留学中の恩返しが原点

われは湖南の子/4 期待胸に曽祖父の国 日系8歳、いじめに負けず

われは湖南の子/5 ポルトガル語の「先生」に 21歳、地域を支える

mainichi.jp

 

 

来日した子供たちは、日本語での学習の問題に直面しますが、更に問題なのは不就学。日本では外国人であっても公立の小中学校に「無償で受け入れ、日本人と同一の教育を受ける機会を保障」しているものの、外国籍の子どもは義務教育の対象とはされておらず、親が教育を希望しない場合は、行政も対応が難しい面があるとのこと。行政の働きかけのみならず、NPO等の支援も重要となります。

本の学校外国籍の子供は着実に増えています。多文化共生は待ったなし。記事の以下の部分がそれをイキイキと物語っていますね。

ブラジル音楽にひかれて日本語教室に入室したことのある田中大輝(ひろき)さん(2年)に聞いてみた。「クラスに外国籍の子がいるのはどんな感じ?」。即答だった。

「普通!」

 

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