NYヤンキース カイル・ヒガシオカ捕手、今年活躍が期待される日系人選手
NYヤンキースの田中将大投手のチームメイトとして、またキャンプ期間中の女房役として注目を集めている日系人捕手がいます。日系四世のカイル・ヒガシオカ選手です。
ヒガシオカ選手は今年初めてスプリング・キャンプの40人のロースター入りをはたしました。今後、メジャーに定着できるでしょうか。
1.ヒガシオカ選手の経歴・生い立ち
カイル・ヒガシオカ選手は、1990年4月20日生まれの26歳。2008年ドラフトでヤンキースから7巡目、全体230位で指名されてプロ入り。これまでの8シーズンのプロ生活で未だメジャー経験はありません。日系4世で、日本語は話せないようです。New York Timesの記事によると、父親から日本語を覚えるように言われてきたことから、田中投手を日本語の先生としてコミュニケーションを積極的に取っているとのこと。
生年月日: | 1990年4月20日 (26歳) |
生まれ: | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ハンティントンビーチ |
身長: | 6'1" (185cm) |
体重: | 190 (86kg) |
投打: | 右投右打 |
出身校: | エジソン高校 |
プロ入り: | 2008年ドラフトでヤンキースから7巡目、全体230位 |
2.2016年シーズンの活躍
2016年シーズンでのヒガシオカ選手は打撃でキャリアハイを記録しました。特にホームランはこれまで一桁であったものが、2Aと3Aで合計21本のホームランを記録。打率も通算で.276と好調を維持しました。そして、その活躍が評価されて、2017年キャンプの40人のロースター入りを果たしました。
チーム | クラス | 試合数 | AB | H | 2B | 3B | HR | AVG | OBP | SLG |
Scranton/Wilkes-Barre(INT) | AAA | 39 | 148 | 37 | 9 | 0 | 10 | 0.25 | 0.306 | 0.514 |
Trenton(EAST) | AA | 63 | 222 | 65 | 15 | 0 | 11 | 0.293 | 0.355 | 0.509 |
3.2017年シーズンの飛躍はあるか?
オープン戦では3月8日時点で9打数5安打2ホームランと好調を維持しています。
しかし、ヤンキースの捕手としては2016年シーズンにメジャーに定着し大活躍したゲーリー・サンチェスがいます。2016年は53試合で.299、20本塁打を記録した、ドミニカ共和国出身の24歳の若手捕手です。そのため、まずは、第2捕手のオースティン・ロマインの座を奪い、メジャー入りを目指すことなります。
ヒガシオカ選手はもともと守備には定評があり、特に強肩が評価されています。盗塁阻止率は30.2%と、サンチェスのマイナー時代の34.9%には劣るものの、ロマインの数字(マイナーで24.9 %、メジャーで21.7%)を上回っています。このまま打撃の好調を維持できれば、メジャー入りも夢ではありません。
4.日本人投手と日系人捕手のバッテリーへの期待
ヒガシオカ選手がメジャー入りして、田中投手とバッテリーを組むようなことになれば、メジャーリーグとして初めてとなる日本人・日系人バッテリーが実現するとのことです。日本人捕手としては、ご存じの城島健司さん、日系人捕手としては今年はブレーブスと契約したカート・スズキ選手がいますが、いずれも日本人投手とはバッテリーを組んだことがありません。
カート・スズキに次ぐ日系人捕手としてメジャー昇格、そして田中投手との日本人・日系人バッテリー誕生を期待したいです。
ちなみに、ヒガシオカ選手は、昨年11月に結婚されたそうです。頑張ってほしいですね。
NYY@NYM: Higashioka belts a solo home run to left
海外移住資料館「広島から世界へ」を訪問、「バンクーバーの朝日」の上西さんも広島県人
海外移住資料館で開催中の「広島から世界へ-移住の歴史と日系人の暮らし-」に、3月4日の開幕日に行ってきました。オープニングセレモニーは、なんと「ボリビアと日系社会」映画上映会と同じ時刻。(広島県人ではあるのですが諸事情あり)ボリビア映画のほうを優先して、セレモニー後、ゆっくりと企画展示のみを見させていただきました。
展示スペースの一角に、広島県人で有名人の方々の写真が掲示されていました。
何人か紹介させていただきます。
まずは銭村健一郎さん。日系人野球の父として有名な方で、その生涯は映画American Pastime「俺たちの星条旗」にもなっています。また、以前、日系人のフィールド・オブ・ドリームスという記事でも紹介させていただきました。二人の息子の健三と健四は広島カープに入団、特に健四は主力としてプレーしました。
次に、ジミー・ツトム・ミリキタニ(三力谷 勉)さん。「反骨のホームレス画家」とも称されます。ミリキタニの日常を追ったドキュメンタリー映画『ミリキタニの猫』は第二次大戦を経験した日系アメリカ人の現実を通し、正義について問いかける作品として反響を呼び、多くの映画賞にも輝いています。
そして、上西巧一さん。映画「バンクーバーの朝日」で有名な野球チーム「朝日軍」で唯一ご尊名の方。現在95歳。
上西さんについては、2月21日に放送された「世界の村で発見!こんなところに日本人」でも紹介されていました。
世界の村で発見!こんなところに日本人 スウェーデン&カナダ 2月21日
上西さんは、バンクーバー生まれの日系二世。日本で教育を受けるため5歳で一旦帰国したものの、11歳でお父さんが亡くなったため、再びカナダへ。17歳で朝日軍に参加し、一番打者として活躍。しかし、19歳の時、第二次大戦が始まり、日系人の財再没収、強制収容、そして朝日軍も解散。番組内では、朝日軍が本拠地にしていた野球場を訪問し、95才にもかかわらず、杖をバットのように振っていました。お元気です。
この企画展示のオープニングセレモニーでは、上西さんの親戚で、ジャズシンガーの上西千波さんのミニコンサートも開かれました。(ボリビア映画のため)コンサートを見ることができず、非常に残念。また、別の機会に上西さんの歌声を聞きたいと思います。
上西千波JAZZ Concert "Homecoming Day" Making Video
この企画展「広島から世界へ -移住の歴史と日系人の暮らし-」は5月28日まで、横浜の海外移住資料館で開催されています。是非、ご訪問してみてください。
日系まとめニュースNo.9「国際移住機関の事務局長『今後も米目指す移民支援』」他
日系関連のニュースをまとめて掲載します。 今回のトップは国際移住機関の事務局長にしました。日系とは直接関係はないとはいえ、米国日系人向けの大統領令の経験も踏まえ、今後とも注視していく必要があります。
日系/Nikkey ニュース No.9 2017年3月 5日(日)
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■■日系関連ニュース■■
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▼▼メディア情報▼▼
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双葉盆唄 ハワイへ行く~福島 震災から6年~
3/9(木)21:00~21:50 NHKBS1(BS)
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★★イベントのお知らせ★★
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シンポジウム「多文化共生社会の実現に向けて-大学と地域の連携を考える-」 - イベント一覧 - 横浜国立大学
日時: 2017年3月8日(水)13:00~17:00 シンポジウム、17:00~18:00 意見交流会
会場: 横浜ランドマークタワー25階 バンケットルームA(シンポジウム会場)
プレビューの限定公開URLを取得 3月10日(金)映画『HAFU/ハーフ』上映会&交流会開催 | 無料プレスリリース配信ならプレスリリース ゼロ
日時: 2017年3月10日(金)19:00~21:30
会場: TRUNK(BASE) 東京都港区北青山3-5-12青山クリスタルビルB2Lounge
2つの感動ドキュメンタリー『軌跡 ~在日ブラジル人の25年~』『カンパイ!世界が恋する日本酒』
http://imingakkai.jp/_userdata/sff_jams.pdf
日時: 2017年3月11日(土)13:00~18:00
会場:武蔵大学 1号館地下1階 1002シアター教室
「ハワイ日系移民の研究支援」研究報告会『ハワイと日本人』
http://www.gakushuin.ac.jp/ad/kikaku/koho/pdf/20170319.pdf
日時: 2017 年3 月 19 日(日)14:00~17:00
会場: 学習院大学 西 5 号館 302 教室
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「ボリビアと日系社会」映画上映、ボリビア国家の歌声も素晴らしかった
今日、「ヨコハマで知る ボリビアと日系社会」映画上映&トークイベントに参加してきました。
イベント冒頭に、牧山亜紀子さんによるボリビア国家斉唱。すばらしい!牧山さんは、青年海外協力隊で活動した後、再びボリビアに行って国立音楽学院で働かれていたとのこと。ガルシア・リネラ副大統領の結婚式でも歌われたとか。イベントの後で、少しお話を伺いましたが、一週間前にボリビアから戻ったばかりで、今後、日本で活動されるとのこと。また機会があれば、歌声を聞きたいですね。
Youtubeで牧山さんの特集番組を発見しました。スペイン語ですが貼り付けておきます。
La Paz de noche (Eng subt) mostrada desde El Alto por la cantante japonesa de ópera Akiko Makiyama
さて、メインの映画「地球の反対側の日本人をたずねて」は、JICAのボランティアにインタビューしつつボリビアを紹介する内容でした。ボリビアの多様性とボランティアの働きが上手く映し出されていて、これも良かった。日系社会も、サンファン移住地を訪問し、サンファン学園や福祉施設で働く日系社会ボランティアの様子が紹介されていました。監督の香西さん、映画に出演した植松さん(ボリビアの元ボランティア)、そして司会の中村さん(KSB瀬戸内海放送・アナウンサー/ブータンの元ボランティア)のトークも含め、全体的に暖かい雰囲気のとても良いイベントだったと思います。
外国人との「共生を考える」第五部、「師弟の微笑がえし」担任と日系生徒の物語
毎日新聞滋賀県版の特集「共生を考える」第5部のご紹介。2016年11月に掲載されたものです。時代は2000年から現在まで。両親とともに13歳で来日した日系三世が教師や周囲からの応援もあり成長していく物語。当時の担任であった照岡さん、「微笑(ほほえみ)がえししか、コミュニケーションの方法を持たず、途方に暮れる日々でした」。
教師は交換日記から勉強の支援を始め、日系生徒はやがて野球で頭角を現し、日本語も完璧に。そして日本社会で立派に活躍、結婚もして日本国籍も取得。しかし、日本での生活のほうが長くなった今でも、アイデンティティーには悩む。今も心の故郷はやはりブラジル。
外国人生徒が増えている中、集住している自治体の支援体制は整備されつつあります。しかし、近年は少人数が各地に広がる散在化の傾向がみられ、そのような学校では、教員が手探りで対応している状況に置かれています。文部科学省によると、公立学校で日本語指導が必要な児童生徒は2014年度、全国で3万7095人。今後も増がしていくものとみられ、外国籍の生徒への支援体制の強化が必要です。
担任と日系生徒の物語/1 いつも一人の新入生
担任と日系生徒の物語/2 夏休みが勝負日
担任と日系生徒の物語/3 懸命につづる日記
担任と日系生徒の物語/4 いじめ心配して登校
担任と日系生徒の物語/5 学年1位→「一番下」に
担任と日系生徒の物語/6 世界野球で銅メダル
担任と日系生徒の物語/7 平安高1年で正中堅手
担任と日系生徒の物語/8 夢舞台まで数センチの差
担任と日系生徒の物語/9 もっと世界が見たい
担任と日系生徒の物語/10 古き良き日本の香り
「広島から世界へ-移住の歴史と日系人の暮らし-」2017年3月4日~海外移住資料館の企画展示
横浜にある海外移住資料館で「広島から世界へ-移住の歴史と日系人の暮らし-」という企画展示が、3月4 日から5月28日まで開催されます。
【海外移住資料館】企画展示「広島から世界へ −移住の歴史と日系人の暮らし−」 | イベント情報 | JICA横浜 - JICA
広島といえば、全国第一の移民県です。1885(明治18)年、第一回移民船『シティ・オブ・トーキョー号』でハワイへ向けて出航して以来、約11万人が海外移住されました。今でもハワイやアメリカ大陸には28の広島県人会が存在し、日本との交流を進めています。今回の企画展では、広島県からの移住の歴史とともに日系人の暮らしの様子を紹介する標本資料や写真が展示されます。
また、企画展示期間中にいくつかのイベントも開催されます。特に、3月4日のオープニング・イベントは楽しそうです。
◆◇◆オープニングイベント開催!◆◇◆
企画展示「広島から世界へ -移住の歴史と日系人の暮らし-」のオープンを記念してオープニングイベントを開催致します。
当日は広島物産展や広島名物お好み焼き試食会、バルーンアートのプレゼントに加え、けんみん文化祭ひろしまマスコットキャラクターの「ブンカッキー」も遊びに来てくれます!
◆日時:2017年3月4日(土曜日)12時30分から15時30分
◆会場:JICA横浜 1階正面玄関入口、ロビー、2階海外移住資料館前など
広島の移民の歴史や、なぜ広島県から海外移住者が多かったのかなど、以下の広島県の資料に簡単にまとめられています。
「明治時代の民衆とひろしま ~海外への移民 ~ - 広島県」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/129736.pdf
また広島市は、デジタル移民博物館を持っています。詳しく調べたい方はこちらが便利です。
広島市デジタル移民博物館
http://dms-hiroshima.eg.jomm.jp/
「ヨコハマで知る ボリビアと日系社会」無料映画上映&トークイベント3月4日(土)13:30~
「ヨコハマで知る ボリビアと日系社会」というイベントが、3月4日(土)13:30からJICA横浜で開催されます。現役の銀行員として、そして映画監督としても活躍する香西志帆監督が制作した青年海外協力隊のドキュメンタリー映画上映と地元小豆島を題材とした映画が上映。また、映画監督とアナウンサーによるトークイベントです。
(横浜)【無料映画上映&トークイベント】日本と世界を沸かせたSHIKOKUBITOが贈る 第2弾「ヨコハマで知る ボリビアと日系社会」 | イベント情報 | JICA四国 - JICA
「地球の反対側の日本人をたずねて」
映画監督・香西志帆が、突然地球の反対側で働く青年海外協力隊たちに会い
に行くことになった。富士山より高い標高にある首都ラ・パスで高山病になり、酸
素ボンベ持参での撮影。サンファン日本人移民地区で出たみそ汁。香川出身
の協力隊にも出会った。地球の反対側であるその国の風景、暮らし、文化を旅
情感溢れる映像で描いたドキュメンタリー。
映画の舞台の一つがサンファン移住地のようです。ボリビアには大きく2つの移住地が存在しています。一つが沖縄からの移住者によるオキナワ移住地、そして九州地方出身者が多いサンファン移住地です。サンフアンには1955年に88名の日本人が入植を開始。日本で精糖業を経営 していた西川利道の呼びかけから始まった移住であるため「西川移民」とも呼ばれています。移住者は原生林を開拓することから始めたものの、非常に過酷な労働であったため、ブラジルやアルゼンチンに再移住、また日本に帰国した方も多かったと聞きます。今では、主にコメ・大豆・小麦・鶏卵・柑橘類などの農産物を生産しています。特に鶏卵鶏卵の出荷量は、ボリビア市場の35%を超えるほど重要な産業となっています。